慰謝料請求にはどのような条件が必要か?

世間で言う不倫があったからといって、必ずしも配偶者の不倫相手に不倫の慰謝料を請求できるわけではありません。

既婚の男性と未婚の女性が食事をする、お酒を飲みにいく、映画に行く、遊園地に行く、キスをするなどについては、人によっては不倫と感じるかもしれません(私個人としては、映画に行く以降は不倫と感じます・・・)が、肉体関係を持たない限りは、基本的には法律上の不倫(不貞行為)に該当することはありません。

では、どのような条件が揃えば、配偶者の不倫相手に不倫の慰謝料を請求することができるのでしょうか?

その1

【登場人物】
Aさん:既婚の男性
Bさん:Aさんの奥さん
Cさん:未婚の女性

上記の登場人物の例で言えば、配偶者であるAさんに不倫をされたBさんがCさんに対して不倫の慰謝料を請求する第一の条件として、既婚の男性であるAさんと未婚の女性であるCさんが肉体関係を持った(持っている)ことが必要となります。

ただ、Cさんが拒否しているにも関わらずにAさんが無理やりCさんと肉体関係を持った場合や、AさんがCさんの弱み等に付け込んで肉体関係を強要したような場合には、Bさんに非があるとは言えません(Bさんの自由意思で肉体関係を持ったとは言えない)。

そのため、Bさんから配偶者と肉体関係を持った第三者であるCさんに対して、不倫の慰謝料を請求することはできません。

なお、上記の場合においてもBさんが配偶者であるAさんに対して、不倫の慰謝料を請求することは当然可能です。

なぜなら、Aさんは自分の意思で配偶者であるBさん以外の異性と肉体関係を持ったからです。

その2

例えば、既婚男性が友人と共謀して、一人の未婚女性に自分は独身者であると信じ込ませ、肉体関係を持ったとします。

具体的には、合コンなどで友人がAさんのことを「Aは独身だよ、現在奥さん募集中!」などと言えば、普通の人ならAさんを独身者と信じるでしょう。

このケースでは、Bさん(Aさんの奥さん)からすれば、Cさんは「夫と不倫をした女」となるでしょうが、Cさんに不倫の慰謝料を請求することはできません。

なぜなら、このAさんと肉体関係を持ったCさんの行為は、不法行為に該当しないからです。

不法行為とは、故意又は過失によって、他人の権利又は法律上保護される利益を侵害することです。

相手に配偶者がいることを知りながら肉体関係を持つことは「故意」に該当しますし、相手に配偶者がいることを知らなかったとしても、注意すれば相手を既婚者と気付いたはずの場合は「過失」に該当し、他方の配偶者(不倫された配偶者)の権利、法律上保護される利益を侵害していることになります。

CさんはAさんを既婚者と知らなかったばかりか、Aさんの友人まで「Aは独身だよ、現在奥さん募集中!」などと言っているのですから、Aさんを既婚者と知らなかったことに過失もないでしょう。

よって、CさんがAさんと関係を持ったことは不法行為には該当しないため、Bさん(奥さん)からCさんに不倫の慰謝料請求はできないのです。

つまり、CさんがAさんのことを既婚者と認識していたか、あるいは注意すればAさんのことを既婚者と認識できたはずであることが、配偶者であるAさんに不倫をされたBさんがCさんに対して不倫の慰謝料を請求できる第二の条件です。

その3

前述のように不法行為とは、故意又は過失によって、他人の権利又は法律上保護される利益を侵害することであって、この不法行為に該当する場合に配偶者に不倫をされた被害者は、配偶者の不倫相手(もちろん配偶者にも)に対して、不倫の慰謝料を請求することが可能となります。

では「他人の権利又は法律上保護される利益」とは何なのでしょうか?

これを不倫の場合に当てはめますと「平穏な婚姻生活を送る権利」と言え、一般的には妻(あるいは夫、内縁の妻や夫も含みます)という法律上の地位にある場合にこの権利は当然にありますし、それを不倫という形で他人が侵害することは許されないことです。

しかし、例外的に妻(あるいは夫)という法律上の地位にあって配偶者に不倫をされた場合であっても、既にその夫婦関係が完全に破綻しているときには「法律上保護される利益」が既に喪失していると考えられますので、配偶者の不倫相手に不倫の慰謝料を請求することは不可能です。

簡単に言えば「既にあなたたち夫婦の婚姻関係は破綻しているのだから、配偶者が誰かと不倫したとしても、あなたが精神的苦痛を受けることはないでしょ」ということです。

ただし、夫婦関係が完全に破綻していると言えるにはそれ相応の状況が必要であり、単に夫婦仲があまりよくない、夫婦間にほとんど会話がない、寝室を別にしている程度では破綻と認められる可能性は低く、夫婦がある程度の期間別居していて、離婚協議を進めているなどの外形が必要であると考えられます。

つまり、AさんとCさんの不倫関係が開始される前において、AさんとBさんの夫婦関係が破綻していなかったことが、配偶者であるAさんに不倫をされたBさんがCさんに対して不倫の慰謝料を請求できる第三の条件です。

なお、配偶者がいることを知りながら肉体関係を持った第三者(Cさん)は、夫婦関係が完全に破綻していなければ不倫相手(Aさん)の配偶者(Bさん)に対して不倫の慰謝料支払義務を免れることはできませんが、不倫前におけるAさんBさん夫婦の夫婦仲はCさんが支払う不倫の慰謝額に影響を与える(通常の慰謝料額より金額的には下がる)ことになります。

まとめ

以上のことをまとめますと、相手を既婚者と知りながら(注意すれば知ることができながら)自由意思で肉体関係を持ち、かつその既婚者の夫婦関係が破綻していない場合に、不倫をされた配偶者から配偶者と不倫をした相手に対して、不倫の慰謝料請求が可能となります。

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