不倫相手が近所に住んでいることで危惧されること

当事務所がご相談やご依頼を受けてきた事例の中で、ご近所同士の男女が不倫関係に陥ったという事例が少なからずあります。

単に家が近所で挨拶をする程度の関係にあるというだけでなく、勤務先を同じくするもの同士における社宅内での不倫であるとか、家族ぐるみで仲良くしていた不倫など、「ドラマの中ではなく、そんなことが現実に起こるのか?」と思うような事例を現実に何件も見てきました。

そのような状況で不倫の被害者になった方にとっては、配偶者の不倫相手が今後も近所に住み続けることは感情的に耐え難いことでしょうし、近所ですからいつでも会えるわけですので、何よりも不倫関係の再発を危惧されることでしょう。

となりますと、不倫関係の再発を予防する根本的な方法としましては、不倫相手をどこか遠くへ転居させることですが、このように転居を要求することは可能なのでしょうか?

金銭賠償の原則

不倫の慰謝料請求は、不法行為に基づく損害賠償ということになるのですが、その損害賠償の方法は、民法417条及び民法722条1項によって、原則として金銭によって賠償額が定められることになっております。

  • ※参考条文(民法417条)
  • 損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。
  • ※参考条文(民法722条1項)
  • 第417条の規定は、不法行為による損害賠償についても準用する。

つまり、不倫によって被害者が受けた損害は、金銭(=慰謝料)によって賠償されることが原則であるので、慰謝料を請求することは当然に可能ですが、「近所から出て行け!」という具合に転居を要求することには無理があるわけです。

もちろん、転居を要求して、不倫相手がそれに合意すれば問題はないのですが、「転居は絶対にしない」と言い張っている不倫相手に執拗に転居を求め続けてしまいますと、場合によっては逆に訴えられる危険すらあります。

なお、「どうしても転居を求めたい」と思い、仮に転居を求める訴訟を提起したとしても、「転居しなさい」という判決が出ることはあり得ません。

それでも転居をしてほしい

方法はひとつしか考えられません。

それは、不倫相手が転居することと引換に、被害者が有する慰謝料請求権を放棄することです。

この方法であれば、不倫相手は転居さえすれば慰謝料を支払わないで済むのですから、場合によっては転居に応じるかもしれません。

慰謝料請求権放棄の注意点

上記のように、不法行為の損害賠償の方法は金銭賠償が原則とされていますので、強制的に不倫相手を転居させる方法はありません。

しかし、不倫相手が転居に同意しさえすれば、転居させることはできるのですから、うまく話をもって行きさえすれば、転居に応じる可能性がありますが、ひとつ注意点があります。

それは、損害賠償請求権は一度放棄したら二度と取り戻すことができないということです。

「慰謝料請求権を放棄する、だから転居せよ」と要求しては、損害賠償請求権を放棄していますが、必ずしも不倫相手が転居に応じるとは限りませんので、ダメなのです。

ですから、「転居することを条件に慰謝料請求権を放棄する」と、あくまでも損害賠償請求権を残したまま転居要求をする必要があります。

示談書で不倫関係再発を予防する

当事務所がご相談やご依頼を受けてきた経験上、転居を要求しても基本的に不倫相手がそれに応じることはありません。

特に、首都圏在住の人などは何度も転居していることが多いのですが、地方在住の人は生まれてからずっと同じ場所に住んでいるという人も多いので、尚更転居に応じにくい傾向にあると言えるでしょう。

そして、転居を執拗に要求し続ければ、加害者と被害者の構図が逆転しかねませんので、不倫相手が転居を拒絶するのであれば、別の方法で不倫関係再発を予防するしかありません。

不倫の被害者側が転居するという方法もありますが、「不倫相手は今後も住み慣れた場所で生活するのに、なぜ被害者が転居しなければならないのか!」と思われるでしょうし、それはもっともなので現実的ではありません。

そこで、違約条項を明記した示談書を作成することによって、不倫関係再発を予防することが現実的と考えられます。

今後も近所に住み続けるのですから、道でバッタリ会うなどは防ぎ用もありませんし、そのようなことにすら違約金を設定することは非現実的でしょうが、意図的な電話・メール・密会等の接触を行った場合、また再度の不倫関係に陥った場合の違約金を示談書に明記しておくことで、不倫相手の行動に制約をかけることが可能です。

なお、違約金の額については、あまりに高額を設定すると、公序良俗に反して無効とされる危険がありますので、その点についても注意が必要です。
(示談書記載の慰謝料の数倍程度が限界でしょう)

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